この記事の目次
「このファイルを直してください」と渡した後で、どの文章を変えるのか、いつ公開してよいのかを何度も聞かれる。引き継ぎでは、作った人が普段省略している判断も書く必要があります。最初から分厚い手順書にせず、一種類の更新を一枚にまとめてみましょう。
題材は架空の貸し会議室サイトです。運営担当者が月ごとの休館案内を更新する場面を想定します。特定の管理画面の操作説明ではなく、担当が替わっても手順をたどれるメモの作り方を提案します。
「休館案内の変更」の入口を特定する
メモの冒頭には、何をするときに使う手順かを書きます。今回なら「翌月の休館日が確定し、トップページのお知らせを差し替えるとき」です。料金変更や予約の取り消しは、このメモの対象に含めません。
次に、編集する原稿の場所と、画面上で表示される場所を対応させます。「お知らせのファイル」だけでなく、実際の保存先と「トップページの休館案内欄」を書いてください。自動生成されるページを使う環境なら、出力されたファイルではなく編集元を示します。
この時点で他の人が指定した場所を開けるかを確かめます。自分の端末でだけ通じる呼び名は、相手が探せる名前へ置き換えましょう。
入力・確認・公開の担当を分けて書く
例として、日付を確定するのは施設の管理担当、原稿を変えるのは更新担当、公開を判断するのは運営責任者とします。一人で兼ねる場合でも、役割ごとの確認を省かない形にします。
引き継ぎメモには、次の順で記入します。
- 管理担当から届いた確定原稿を開き、対象月と休館日を読む。
- 編集元の該当欄だけを変更し、確認用画面で日付と文章を照合する。
- 運営責任者へ確認用画面を示し、公開してよいかを確認する。
- その環境で決めた公開手順を実行し、公開先のお知らせを読み直す。
四番には、実際の環境の手順書への参照が必要です。「アップする」だけで引き継ぎが済んだことにせず、どこに操作説明があるかを追記してください。ここで示すのは骨組みなので、管理画面のボタン名などは現場の表示に合わせて補います。
「保存できた」後に何を見ればよいか残す
確認項目は「表示を確認」よりも具体的にします。今回なら「公開先で対象月、休館日の数字、案内の末尾を読む」です。同じ情報が別ページにも載っているなら、そのページも確認先に追加します。
そのうえで、確認日時と担当を記入する欄を設けます。手元では変更できたが公開先では旧案内のまま、という場合に、どこで止まったかを区別するためです。
更新前の保存や戻し方は、バックアップの対象と確認手順を決める記事を参考に別の手順として用意できます。引き継ぎメモには、その所在と連絡先を書き、初めての担当者に復旧方法を推測させないようにします。
この貸し会議室の例では、メモの入口を次のように埋められます。ファイル名も練習用の設定です。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 編集元 | 原稿フォルダの「休館案内.txt」 |
| 正とする情報 | 管理担当が確定した翌月の休館日一覧 |
| 公開の判断 | 運営責任者に確認用画面を見せてから進める |
| 公開後の照合 | トップの対象月・休館日・末尾の案内を確定原稿と比べる |
| 止まった場合 | 更新担当から運営責任者へ、対象ページと直前の操作を伝える |
実際の手順書では、編集元と公開手順へのリンク、担当者の連絡先も必要です。
説明を足さずに、メモだけでたどってもらう
メモを書いた人が横から次の操作を教え続けると、不足が見えません。公開環境とは分けた練習用のコピーで、受け取る担当者に一度たどってもらいます。途中で止まった言葉や場所を記録し、その箇所へ説明を足してください。
たとえば「最新原稿を使う」で迷ったら、保存場所と版の見分け方が不足しています。「問題があれば連絡」で迷ったら、誰に何を伝えるかを補います。連絡メモは、作業したページ、直前の操作、表示された状態の三つから始められます。
秘密のパスワードを一枚のメモへ書き込む必要はありません。利用するアカウントと、権限の相談先を示し、実際のアクセス方法は組織で決めた管理方法に従って引き継ぎます。
編集元と確認先を、引き継ぐ相手が開けるか
自分のサイトから繰り返し行う更新を一つ選び、「使う場面」「編集元」「確定情報の出どころ」「確認先」「公開の担当」「困ったときの連絡先」を埋めます。分からない欄は未確認と明記し、誰に聞くかを決めてください。
他の人との練習がまだなら、メモ作成済み・引き継ぎ練習は未実施、と分けて残します。公開前後の流れも整理するなら、公開・運用の無料レッスンを参照できます。
記載内容へのご質問や訂正のご連絡は、hello@junkbranding.comまでお願いします。