今つくっているのは、どんな書体ですか。
本文用の明朝体の、かなの部分です。漢字は既存の書体と組み合わせる前提で、ひらがなとカタカナ、約物を合わせて400字ほどを描いています。文庫本くらいの文字の大きさ、9ポイント前後で読まれることを想定しています。
画面で描いて、紙で直す
校正紙に出すのはなぜですか。画面で拡大したほうが、細かいところまで見えますよね。
拡大すると、見えすぎるんです。実際に読まれる大きさで見ないと、線の太さの違いや字の傾きは判断できません。だから週に一度、全部の字を9ポイントと24ポイントで出力して、赤を入れます。直すのは画面の上ですが、判断するのは紙の上です。
一字にどのくらい時間をかけますか。
最初の形を描くのは1時間くらい。そこから直して、ほかの字と並べて、また直す。「の」「を」「る」のように文章によく出てくる字は、3日くらいかかります。「ゑ」は半日で終わりました。
よく使われる字ほど、時間をかけます。読む人が何千回も目にする字なので。
永井朋子
隣に来る字で、形が変わる
赤字でいちばん多い指示は何ですか。
字の大きさです。たとえば「は」と「き」を同じ枠に描いても、「き」のほうが小さく見える。だから「き」を少し大きくする。でも大きくしすぎると、今度は「す」と並んだときに目立ってしまう。一字を直すと、ほかの字との関係が全部変わるので、きりがありません。
完成はいつごろの予定ですか。
来年の春です。最後の2か月は、実際に小説を一冊組んで、読みながら直す期間にしています。読んでいて引っかかった字には付箋を貼る。去年の試作では、付箋が140枚になりました。
- 書体名称未定(本文用明朝体のかな)
- 収録字数約400字
- 発売予定2027年春
この記事はJUNKBRANDINGのデモ用に作成したものです。登場する人物・団体・施設・発言は、すべて架空です。
