ART美術 Review

割れた器を、別の器のかけらで継ぐ──小野寺悠「呼継」展

欠けた部分を、同じ器の破片ではなく別の器のかけらで埋める「呼継(よびつぎ)」。京都で開かれている金継ぎ師・小野寺悠さんの個展では、染付と色絵がひとつの碗に同居する23点が並ぶ。

藍の染付の碗の欠けた部分に、色の違う別の器のかけらがはめ込まれ、継ぎ目が銀色に光っている
染付の碗の欠けを、色絵の皿のかけらで補った一碗。継ぎ目には錫粉を使っている。撮影:編集部

金継ぎは、割れたり欠けたりした器を漆で接着し、継ぎ目を金や銀の粉で仕上げる技法だ。ここ数年は教室やワークショップも増えて、名前を聞いたことがある人は多いと思う。

呼継はその一種で、失われた部分を別の器の破片で補う。柄も厚みも違うかけらを探してきて、削って形を合わせる。小野寺悠さんの個展「呼継」には、この方法で直した碗と皿が23点出品されている。

継ぎ目を、正面に持ってくる

入口のすぐ横にある碗は、白地に藍の唐草を描いた染付で、口縁から底に向かって3分の1ほどが、赤と緑の色絵のかけらに置き換わっている。普通なら目立たない位置に継ぎを入れたくなるところを、小野寺さんは正面に持ってくる。

キャプションによれば、かけらの多くは古い窯跡の近くで拾ったものか、骨董市で「割れ物」として数百円で売られていたものだという。時代をそろえて選ぶわけではなく、厚みと曲がり具合が合うかどうかで決める。

金ではなく、錫と銀

継ぎ目の仕上げには、金よりも錫や銀を使うことが多い。金は目立ちすぎて、二つの器のどちらにもなじまない、というのが小野寺さんの説明だ。錫は時間がたつと黒ずんで、継ぎ目が器の色に近づいていく。会場には10年前に継いだ皿も置かれていて、こちらは継ぎ目がほとんど灰色になっていた。

直した日がいちばん目立って、あとは毎年少しずつ目立たなくなる。そのくらいがちょうどいい。

小野寺悠(会場の解説パネルより)

食器として売られている

出品作にはすべて価格がついていて、碗は3万円台が中心。内側には漆を何度も塗り重ねてあり、普段の食器として使える。会場の奥では、工房で使っている刷毛や砥石も見られる。継ぎの工程を写真で追った小冊子(500円)は、金継ぎの入門書として読んでも十分な内容だった。

  • 展覧会小野寺悠「呼継」
  • 会期2026年10月10日〜11月15日
  • 会場器と道具 ひなた(京都市左京区)
  • 入場無料、水曜休

この記事はJUNKBRANDINGのデモ用に作成したものです。登場する人物・団体・施設・発言は、すべて架空です。

編集部・デザイン担当

戸川まどか

1990年生まれ。デザイン事務所で書籍の組版を担当したのち、2021年に編集部へ。書体、印刷、看板の記事を主に書いている。