汐見区立美術館で9月から開かれている「紙の上の建築」は、県内の公共建築の図面約120点を集めた展覧会である。当資料室も西原町立図書館の断面図(JB-A-0011)を貸し出した。貸し出し側の立場から、展示を見た。
図面を壁に掛けるということ
図面は本来、机に広げて、何枚かを見比べながら読むものだ。平面図で部屋の位置を確かめ、断面図で天井の高さを確かめる。壁に1枚ずつ掛けると、この行き来ができなくなる。
この展示は、同じ建物の図面を必ず2枚以上並べ、平面図と断面図の対応する位置に小さな番号を振ることで、この問題に対処していた。番号をたどれば、壁の前でも図面どうしを行き来できる。
展示の順番
展示は建物の竣工年順ではなく、図面の種類ごとに並んでいる。最初の部屋が配置図、次が平面図、断面図、矩計図と、縮尺が大きくなる順に進む。
この順番だと、同じ建物の図面が部屋をまたいで分かれてしまう。一方で、1930年代と1970年代の断面図を同じ壁で見比べられるのは、この並べ方ならではだった。西原町の図書館の断面図は、1930年代の県の庁舎の断面図の隣に掛けられ、天井高の取り方の違いがよくわかった。
気になったキャプション
キャプションは建物名、設計者、竣工年、縮尺の4項目に統一されている。図面が原図か複写か、どの段階の図面か(基本設計・実施設計・竣工図)の記載がないのは惜しい。同じ建物でも、段階によって描かれている内容は大きく違う。
当資料室の収蔵品の記録でも、図面の段階の記載が抜けているものがある。展示を見て、建築の収蔵品に「図面の段階」の項目を追加することを決めた。



