日本語長文の読みやすさ調査:行長と行送りの組み合わせ
調査の目的
画面上の日本語本文では、行長と行送りをいくつに設定すべきかについて、紙の組版ほど共有された基準がない。本調査では、記事ページの本文設定を決める根拠を得るために、行長と行送りの組み合わせが読む速さと理解度に与える影響を調べた。
方法
参加者48人(20〜50代)に、行長4条件(28・35・42・50字)と行送り3条件(1.5・1.7・1.9)を組み合わせた12条件で、約1,200字の解説記事を読んでもらった。記事の内容と条件の順序は参加者ごとに入れ替えた。読み終えたあとに5問の内容確認テストを行い、正答率を理解度とした。視線計測は、行頭への戻り回数を数える補助データとして使った。
結果
行送り1.7の条件では、行長35字で読む速さと理解度のバランスが最もよかった。42字では速さはわずかに上がったが理解度が下がり、50字では読み戻りが大きく増えた。28字では1行が短いぶん行の移動が多くなり、読む速さが落ちた。
限界
本調査は1種類の書体(ゴシック体、16px)と1種類の画面(24インチモニター)で行った。スマートフォンや明朝体では結果が異なる可能性がある。また参加者は日常的に長文を読む人に偏っている。
本誌での適用
この結果をもとに、記事ページの本文の最大幅を35字分とし、行送りは画面幅に応じて1.7〜1.9の間で変化させている。