色校正の現場から:画面と紙の色差をどこまで許容するか

ロゴの青が、Webサイトとパンフレットで違って見える。ブランドを運用している人なら、一度は受けたことのある指摘だろう。画面は光で色を作り、紙はインクの反射で色を作る。仕組みが違う以上、完全な一致は難しい。

架空の印刷会社でプリンティングディレクターを務める戸田さんに、色校正の現場での判断基準を聞いた。

数値で話す

戸田さんの現場では、色の差をΔE(デルタE)という数値で管理している。2つの色の距離を表す指標で、一般に2を下回ると多くの人には違いがわからないとされる。

「なんとなく違う」は、数値にした瞬間に議論が終わることが多いんです。ΔEが1.5なら、問題は色ではなく見ている照明かもしれない。

画面側で決めておくこと

ブランドカラーをWebで指定するときは、HEX値だけでなく、どの色空間で定義した色かを記録しておくとよい。CSSではcolor(display-p3 ...)のように広い色域を指定できるようになり、印刷物に近い鮮やかな色を出せる端末も増えた。

許容範囲は用途で変える

戸田さんは、ロゴのように識別が重要な色はΔE2以内、背景の大きな面積の色はΔE3程度まで許容するという。面積が大きいほど差が目立つと思われがちだが、実際には隣に比較対象がある小さな面積のほうが違いに気づかれやすい。

本誌の配色について

本誌のサイトは、オフホワイトと黒を基調に、図表とリンクにだけ青を使っている。色数を絞ったのは、端末間の色差が出ても印象が崩れにくいようにするためでもある。