ウェブ雑誌の「号」という単位は今も有効か
紙の雑誌は、印刷と流通の都合で記事をまとめて届ける必要があった。Webにはその制約がない。記事は書き上がった順に公開でき、読者もSNSや検索から1本ずつ訪れる。
それでも本誌は、特集を「号」として番号を振り、関連する記事と研究をまとめて見せている。
号は文脈を運ぶ
1本の記事だけを読んでも、それが大きな問いの一部だとは気づきにくい。号という単位があると、「この記事は可変フォントについての6本のうちの1本」という位置づけが伝わる。読者が次に読む記事を選ぶ手がかりにもなる。
号は編集部の締め切りでもある
番号を振ると、特集の範囲を決めざるをえなくなる。何を扱い、何を扱わないかを決める作業は、記事単体の公開では起きにくい。
本誌での実装
特集はWordPressのカスタム投稿タイプとして管理し、号番号、テーマカラー、章立てをカスタムフィールドに持たせている。関連する通常記事は特集側から指定する。表示側では、特集ごとのテーマカラーを見出しの帯と章の目印に使い、号ごとに異なる印象を作っている。
それでも号に縛られない
号に含まれる記事も、それぞれ単独で読めるように書く。号は入口を増やすための仕組みであって、読む順番を強制するものではないからだ。